降っていた雨が止んだかと思えば、空には青い亀裂が見え始める。
持っていた傘はいつのまにか骨が折れてしまっていた。
折れたままの傘を持って濡れた落ち葉を踏みながら青山墓地を歩いたのは何年前か?青山墓地は紅葉というよりはすでに冬の始まりを感じさせる青いモノトーンの空間だった。いや、これは過去の記憶だからかもしれない。セピアにはならずモノトーンだ。
まだ、雨は完全に止んだわけではなく、パラパラと時折思いついたように降ってくる。隣にいた彼女からチェック柄の傘を渡された。ひとつの傘に二人で入って歩くと、その鬱蒼とした木に覆われた記念碑にもなっている巨大な墓石が現れる。大久保利通のものであった。巨木の間からかいま見える青空。雨はパラパラ。
今はこの鬱蒼とした木は切られ名所となるよう整備されている。
この季節の青空が好きだ。抜けるような青空。まあ、あんまり嫌いな人はいないよな。東京で見る空は高層ビルに隠されてこの青空は部分的に切りとられるから広さというより、遠さを感じる青。
パリで地下鉄を降りて例のアールヌーボー調の入り口の向こうに切りとられた青空を見た。それに似たような青空が東京の地上から眺める高層ビルの合間に見える。
秋の空の下、都心の散歩は意外ともの思いに耽るのにはよいのである。















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